日本における風力発電の導入量の目標は、2021年度の450万kWに対して、2030年度に2,360万kW。立地地域とのスムーズな合意形成を期待してこの数字でしょうから、なかなか意欲的な目標と言えます。
風力発電の導入障壁としては、
が主なところですが、今回は生態系、中でも野鳥に関する影響を考えてみます。
風力発電では確かにバードストライクは発生し、それによって、野鳥が死んでしまうことは否めません。これに関する実績に基づいたデータは少なく、BBCのScience Forcusの記事を引用しますが、イギリスでは年間10,000羽~100,000羽がバードストライクによって、死んでいるそうです。
それでは、これは生態系に影響を及ぼすほど大きいのか?ですが、55,000,000羽の鳥が野生の猫類によって捕食されているというデータも示されており、これと比較すると、生態系に影響を及ぼすというのは主張しづらいところです。
また、風力発電の羽を1枚黒に塗るだけでもバードストライクを70%減らすことが出来るという論文も出ており、工夫次第ではさらに影響を軽減できそうです。
地球温暖化を阻止する=マクロとしての生態系の変化を阻止する、ために再生可能エネルギーの導入は不可欠であり、これをミクロな世界で反対することがあってはならないというのが私の考えです。